鳥栖未来計画 視察 ~小倉編~



こんにちは。大学も対面での授業が再開され、キャンパスが賑やかになってきました。さて今回は「鳥栖未来計画 視察~小倉編~」です。3月24日・25日に実施した、本計画における先行モデル都市視察の報告記事です。私たちが先行モデル都市視察を通して発見したこと、感じたことをまとめましたのでぜひご覧ください。


1|鳥栖未来計画とは?

鳥栖未来計画とは弊チームが鳥栖市議会自民党鳥和会の依頼により実施する「鳥栖市中心市街地のまちづくりに関する調査及び包括的な提案」です。弊チームではこのプロジェクトを「鳥栖未来計画」と名付け、9月末の最終提案に向けて企画を進めています。弊チームではこのプロジェクトを「鳥栖未来計画」と名付け、9月末の最終提案に向けて企画を進めています。詳しくは下のバナーをクリックしてご覧ください。※弊チームのホームページに移動します。

2|小倉はこんなまち!

小倉の中でも小倉北区に注目していきます。小倉北区は戦前から戦後にかけて旦過市場・小倉魚町などの商店街を中心に栄えてきました。また近年では福岡市まで新幹線で15分、在来線で1時間程度というアクセスの良さから福岡都市圏へのベッドタウンとして再注目を浴びています。そして北九州市は有休不動産を活用したリノベーション事業に注力しており、特に小倉魚町ではリノベーション事業によって再生された不動産を多く視察することができました。


3|旦過市場

旦過市場の始まりは大正時代にまで遡ります。大正2、3年頃に隣接する神嶽川を昇る船が荷をあげて商売を始めたことから旦過市場が始まったとされています。そして近くに住宅街があったことから自然と市場としての機能を持つようになりました。旦過市場は生鮮食品を主体とした市場でしたが、戦時中には一時的に市場としての機能を失ってしまいます。しかし、戦後すぐに商人が集まり市場として再開しました。昭和30年ごろには、現在の店舗へと建て変わり、最盛期を迎えましたがその後は、人口ドーナツ化現象、大型店舗の郊外進出の危機に直面しています。それでも旦過市場は北九州の人々に愛され、北九州の台所としての役割を果たし続けています。


旦過市場は小倉の重要な商業拠点として長年市民に親しまれている一方、防災・防火のさまざまな面において課題を抱えています。特に神嶽川が旦過市場に隣接しており、地盤が低く浸水被害が大きな問題としてあげられ、平成25年から神嶽川改修などの検討がなされています。現在は市場の片側が神嶽川にせり出した形並んでいるため、移転が必要になると検討されていますが、両側に店舗が連なる旦過市場の魅力が大きく失われ、市場の存続が危ぶまれる可能性が大きくあります。また戦後に建て替えられた市場の施設も全体的に老朽化の波が押し寄せており、耐震性や耐火性の観点からどのように景観を保全していくがが課題となっています。


旦過市場は視察当日も賑わいで満ちていました。狭い路地に密度して個人商店が入居することで活気を生み出しており、生活機能であるはずの市場が一種のエンターテイメントのように感じました。現在、旦過市場では防災の観点から再整備計画が浮上していますが、地域住民の反対もありこう着状態となっています。地場産業を保護しつつ、地域を活性化していくには根強い努力と交渉が必要であると痛感しました。本計画においても鳥栖駅周辺の昔ながらの景観を維持していくのか、大規模に土地開発の提案をするのかが焦点になってくることでしょう。


4|小倉魚町

小倉魚町の歴史は江戸時代までに遡ります。江戸時代に現在の魚町及び京町に商家が建ち並び、長崎街道を通じた交易で栄えました。明治時代に入ると「えびす市」が開催されるようになり、北九州市だけでなく、下関からも多数の見物客が小倉を訪れ大いに賑わったようです。実はこのえびす市が現在の小倉魚町アーケード街を形成される契機となったのです。「えびす市が雨の影響を受けずに開催できるように、そして普段もお客さんが雨に濡れずに買い物ができるようにしたい」。そういった小倉の商人たちの想いによって、昭和26年に日本初のアーケードが完成されることになりました。それまで日本での商店街アーケード建設は前例がなく、国から建設認可を得ることも相当難航したことですが、明治時代からの小倉の商人たちの想いがアーケード建設に大きく前に動かしたことでしょう。


そして高度経済成長期に入ると、モータリゼーションの普及により、小倉魚町はモノレールとJRでアクセス可能な商店街へと変貌していきました。現在では昔ながらの呉服店や生活必需品を扱う店よりも飲食店チェーンや小売大手のチェーンが多数入居する状態となっています。


また、現在は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受けて時短営業や営業自粛を強いられている個人商店も少なくありません。魚町銀天街の昔からの機能を維持しつつ、この厳しい状況下を乗り越えるためには地域経済を支えるためのアイデアが必要であると視察を通して感じました。


現在、北九州市ではH23年度から小倉魚町を中心に「リノベーションまちづくり」が進められています。これは、縮退する社会の中でまちに賑わいを取り戻すため、現代版の家守りの手法を用いて遊休不動産を再生し、都市型産業の集積を行う新しいまちづくりの手法です。


5|魅力あふれる空間づくり

視察当日は平日でありながら、人が多く行き交い、広場には椅子やちょっとした休めるスペースが設けられており、そこで休んでいる人も多く見られました。広場には半球型の木組みがテーブルを覆うように設置してあり、その中に入れば周囲の視線を少し遮ることができて休みやすいように配慮がなされていると感じました。



6|最後に

小倉は商店街を中心として発展していった街ですが、現在は最盛期を超え、他の商店街と同じように衰退の一途を辿っていることに変わりはありません。また小倉の商店街は建物の老朽化や災害面においても問題を多く抱えています。現在の建築は建築基準法を満たしていない場合が多く、従来の方法で建て直すことは難しいと言えます。これは小倉に限ったっことではなく、本計画の対象地である鳥栖市も同様です。昔からの風景やお店を後世に残すのか、それとも大規模開発によって街全体を一新するのか。絶対的な正解はありませんが、少しでも鳥栖が私たちや次世代の人々にとって住み心地の良い街となるよう本計画の提案に向けて邁進して参ります。


※本記事の執筆において参考とした資料は下記のバナーをリンクすることでご覧いただけます。最後までご一読いただきありがとうございました。



記事執筆:坂田久美(Make-Sense メンバー)

 

Make-Senseについて

佐賀を拠点に活動する学生プロジェクト&デザインチームです。佐賀大学芸術地域デザイン学部の学生が中心となって活動しています。佐賀を拠点にイルミネーションデザインから都市計画の提案プロジェクトまで幅広い分野で活動しています。詳しくは弊チーム公式ホームページをご覧ください。


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